4.紫イぺの歴史


マセドニア修道院のアバトムリア院長は、西暦1385年、書物F、第5巻46頁のパピルス写本の中で次の如く記しています。

 新世界の到来以来、ブラジル移住者たちは、インディアンの習慣であるイぺを用いた病気治療を知り、これを積極的に利用してきましたが、今日に於いてもこの治療力のあるイぺを
奇跡を起こす不可思議な樹木と言っています。

「赤紫色の花が咲き、昆虫を食するビグノニア樹木(ノウゼンカズラ科,Tecoma heptaphylla)の樹皮は、インカ帝国時代から伝統的に使用され、アンデス部族はこれを傷薬或いは薬用茶として(腸チフス熱、アメ−バ−赤痢、硬変症及び貧血症治療剤)利用してきました。又、別の用途としては、乾かした樹皮を石と鉄で摩擦させて火を起こす時の点火用材としても使用された。」

バイキング(海賊)は、紫イぺを、月が三日月に欠ける間のみ治療力を有する月から来た奇跡的な木として、80年間にわたり商いをしましたが、その時の売買の仕方は、宝石とのみ交換が行われました。

ロシアのザー皇帝は、130年の長寿を保ちましたが、毎日紫イぺ茶を一服し、元気に過ごしたと言います。

インド解放運動指導者ガンジーは、30年間にわたって毎日紫イぺを若さを保つ月の薬として服用しながらヨガの行をおこないました。

1965年、ミラノの「カルロ エルバ研究実験所」で実施された光化学実験において、樹皮に関し、次のことが明らかになりました。
ラパール−ブラジルのレシーフェ及びアメリカの学者たちは、ラパコールのみ含まれている実効成分が、動物に植えつけた
腫瘍に対し非常に効果がある事を発見した。そして、米国に於いては赤紫イぺ又はテコマキュリアリスとも呼ばれ、建築、家具用材としても特に有名です。

1968年9月、レシーフェ抗生物質研究所の理事であるオ ワルド ゴンカル ベス デリマ教授は、ラパコールの情報を科学的研究課題として提起しました。
 彼は、
タベブイア アベラネダエ又はテコマキュリアリス樹木の樹皮の実効成分を最初に研究発見した人であります。
 1956年から1963年の間に行われたローマ衛生研究所での実験では、或る種のnaphthoquinones即ちラパコールは、これまでに自然で遭遇しなかった注目すべき抗菌性活動をあらわすキノン類で、抗生物質に属するXYLOIDON BETALAPACHONE及びDEHYDROLAPACHONEであることを認定し、その分離に関する論文を発表しました。

 特に、BETALAPACHONEは、B.BUBTILIS、S.AUREUSのグラム陽性病原菌やBRUCELLA類のグラム陰性病原菌に対し、かなりの有効性を示しました。ブラジルの一般の人々が盛んに誉め賛える樹皮の効用性についてゴンガルブス デリマ教授は、その抽出液を使い、WALKER CARCINOSARCOMA(発ガン肉腫)256とEHRLICHS腹水腫瘍に対する抗菌活動をあらゆる角度から実験、研究し、500名の医者たちが参加した
第5回ブラジル癌学会キャンペーンに於いて、その成果を発表しました。しかし、その努力にも拘らず彼の研究データは、特発性で限界があり、決定的でないと言う結論が下されました。

 この結果と
対照的な見解として米国癌化学療法国立サービスセンター抗生物質研究所の特別アシスタント ジョナサン ハートウェル博士は1968年8月、リマ博士に書簡を送りましたが、その内容は、ノウゼンカズラ科樹木樹皮の抽出液で、抗腫瘍作用のある活動性物質としてのラパコールを分離することに成功したと述べています。

 ラパコールとその抗生物質(DEHYDROLAPACHONEとALPHA/BETALAPACHONE)をWALKER CARCINOSARCOMA(発癌肉腫)256にテストしたハートウェル博士の研究によれば、ラパコールを毎日最小限度78mg/kg口から摂取100mg/kgを毎日腔内に投与した場合、人体に与える副作用は全くなく、腹腔内に広範囲にわたって薬効を及ぼすとのことが判明しました。

 前述の癌学会キャンペーンに於て、WALKER256とLEUKEMIA(白血病)L−1210及びARCOMA180に対し、疑わしい、或いは否定的な結論が出たのは、他のラパコール抗生物質元素を使用したからであります。

 これまでに述べたラパコールの実験データを総合的に考察すると、これらの実験は、臨床以前の薬物学的実験を主体に行ったものであり、現在では
既に臨床実験の段階にあると言えます。

 ゴンガルベス デ リマ教授は、虚心坦懐、且つ誠実な性格の科学者であります。彼は、保健衛生会議所の代表委員会に提出した調査結果答申書の中にアメリカ合衆国研究者であるハートウェル博士が述べた「科学研究に従事するという事は、我々の虚栄心の上に立って推進しなければならない」と言う書簡をオ エスタド デ サンパウロ紙を始め、幾つかの新聞社にコピーを同封し送付しました。

 1968年10月7日、レシーフェ抗生物質研究所のレシーフェ氏は、新聞社に対し、「ハツカネズミにYOSHIDAS肉腫を発病させ、これにラパコールを使用して100mg/kgの分量を経口投与したところ、
動物実験腫瘍の成長が84%抑制した」との電報を送りました。

 それでは、赤紫色の花が咲くノウゼンカズラ科樹木の樹皮が持つ不可思議な奇跡的効能についてメイヤー博士に尋ねてみることにしよう。

 博士の説明によると、これは先ず
即効性のある鎮痛剤であり、鎮静、充血緩和、利尿作用を持ち、低血圧にも効能がある。そして、傷口を治し、伝染病と戦い、飲食を増進させると共に総合的な強壮剤の役割を果たす。
よって、かかる効能により、白血病、癌、貧血症(鉄分を高単位に含む)、胃炎、胃潰瘍、リューマチ及び糖尿病治療に処方され、その
成果も立証されてきているとのことである。

 ブラジル、サンパウロの市立病院に於いてラパコールは今や、
治療剤として使用されることになり、この事実がブラジル及びアルゼンチンで報道されたことがあるが、これは驚くに至らないことである。然し、このようなラパコールの評判は、ブラジル癌協会の注目を引く原因となり、同協会の「激しい怒り」を招く結果になったと報道された(人々は、当然起こり得る事態と言う)ブラジル癌協会は、ラパコールを即刻且つ全面的に使用禁止させるべく政府機関を通してサント アンドレ(サンパウロ郊外)市会議員達に大きな圧力をかけたが、市長は市の永遠の名誉のために、この申し入れを拒否したのである。何故ならラパコールの申し入れを受け入れれば不治の患者、病院から見放された重病患者が完治出来ると共に病院が暇になり、病院を維持することは困難になるとして、その圧力を揆ねのけ、選良たる面目を施したのであった。

 
ブラジル癌協会が、なぜかかる敵意を示すのか、読者は疑問に思うだろう。彼等が用心はするにしても、せめて楽観的な対応や、いくらかでも積極的な関心を示さないのは何故か。答えはあきれるほど簡単であり、ことはブラジルに限ったことではない。

 医学界誌が報ずるところによれば、欧米社会は全体的に癌問題を抱えているが、その中でも米国が最も深刻であるとのことである。癌で何千人もの人々が死亡しているところでは、いつも同数の人々が癌患者によって生計を立てているし、このような人々は癌問題が一夜にして劇的に減少することは望まない。明白な事実として、
彼等に対して癌とは産業であり、事実高収益をもたらす産業なのである。毎日のパンのみならずコーヒーに入れる沢山のミルクも商売になり、大製薬会社と医者の「既得利権」は、管理者として医療関係の職業と提携し、期待できる治療法を進んで行わなかった。それ故、過去50年間に於ける癌治療の効果的方法が進歩しなかった理由を客観的に知ることが出来よう。

 ラパコールに関する科学的真相は、南北アメリカのみならずヨーロッパに於いても実際の医療研究が行なわれ、十分にその立証がなされた。(1930年代には、ロシアでも研究が行なわれた)。

 ラパコールの服用価値とその伝説は字義通り何千年に及ぶ長期間の経験と実績から成り立っており、公式処方の有害薬品(度々用いると死に至る)がはびこる現代に於いて
使用上全く安全であることが評価されているため実に有意義な存在である。ジョナサン ハートウェル博士(米国−1968年)によれば、ラパコールには、副作用が全くなく安心して飲用出来るとのことであり、「紫イペ」の現在までの記録と副作用なしと証明された事実により、GHA社は、治療目的如何を問わず自信を以って紫イぺ薬草茶の販売が出来る。

 また、
紫イペ薬草茶には強力な血液浄化作用があるので、病気予防に素晴らしい効果があり然も既に犯されている病原を除去する確実な武器になるものと考えられている。全ての病気は何等かの形の血液汚染によって起こる故、「紫イペ」によって健康改善の見通しは明らかと思われる。

しかし、ここで注意を喚起したいとは、ノウゼンカズラ科に属する樹木は数多くあるが、紫イペ薬草茶となるものは、たった一種類ということであり、他のいずれの樹木にも抗ビールス及び抗腫瘍の働きをするラパコールは含まれていない。そして、この製品の販売業者には、全く何の価値もないくず同様の一般樹木樹皮を紫イペ薬草茶として販売する者もいるが、外見と全く見分けがつかないので注意を要する。

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